【2028年AIが経済を破壊する】Ghost GDP・失業率10.2%・S&P38%暴落の衝撃シナリオ

「2028年6月。S&P500は高値から38%下落。失業率は10.2%。プライベートクレジットは崩壊中。プライムモーゲージに亀裂。AIは期待を裏切らなかった。すべての期待を上回った。何が起きたのか?」

これは、SubstackのトップファイナンスライターCitrini Research(James Van Geelen)が発表した「The 2028 Global Intelligence Crisis」の冒頭だ。2028年の未来から振り返る形で書かれたこの「思考実験」が、発表直後にVisa、DoorDash、ServiceNowなど複数の銘柄を実際に急落させ、世界中で議論を巻き起こしている。

Chubby氏(@kimmonismus)のX投稿より:

「このブログ記事を読んでほしい。しかしそれ以上に、議論の出発点として読んでほしい。近い未来について広く共同で会話し、解決策を一緒に探すために。」

@kimmonismus(閲覧数3.3万回、いいね245件)

この記事では、Citrini Researchが描く2028年の衝撃シナリオの核心概念「Ghost GDP」、ホワイトカラー失業の負のフィードバックループ、そして金融システム崩壊のメカニズムを徹底解説する。

2028 Global Intelligence Crisisの主要数値:S&P38%下落、失業率10.2%
目次

Ghost GDP(ゴーストGDP)とは何か?

Citrini Researchが提唱するこのシナリオの核心概念が「Ghost GDP」だ。

Ghost GDPとは、国の経済統計には表れるが、実体経済には循環しない経済成長のことだ。AIエージェントが人間の代わりに労働することで、実質的な生産性は1950年代以来のペースで向上する。企業の利益は過去最高を記録する。しかし、そこに根本的な問題がある。

AIは給料をもらわない。住宅ローンを組まない。レストランで食事もしない。

つまり、GDPは成長しているように見えても、消費の70%を占める人間の経済活動が縮小していく。これが「ゴーストGDP」──見かけ上の成長と実体経済の乖離が生み出す構造的危機だ。

指標 表面的な数値 実体経済の現実
GDP成長率 中〜高の一桁成長 消費経済は縮小中
生産性 1950年代以来の急上昇 人間の労働が機械に置換
企業利益 過去最高を記録 人件費削減が主因
貨幣の流通速度 横ばいに停滞
Ghost GDPの構造:GDP成長と実体経済の乖離

「知能の置換スパイラル」──止まらない負のループ

Citrini Researchが描く最も恐ろしいメカニズムが、「知能の置換スパイラル(Intelligence Displacement Spiral)」だ。これは自己強化型の負のフィードバックループであり、一度回り始めると自然なブレーキが存在しない

そのループは以下のように進行する。

  • AIの能力が向上 → 企業の利益率が改善
  • 人件費を削減(ホワイトカラー労働者を解雇)→ 消費者支出が悪化
  • 利益圧力で企業がさらにAIに投資 → AIの能力がさらに向上
  • サイクルが加速 → 「自然なブレーキなし」

Citrini Researchより:

「ホワイトカラー労働者は米国の雇用の50%を占め、裁量的消費支出の約75%を支えていた。AIが食い荒らしていたビジネスと雇用は、米国経済にとって周辺的なものではなかった。それが米国経済そのものだった。」

ここで重要なのは、従来の「技術革新は雇用を破壊し、その後さらに多くの雇用を創出する」という反論が今回は通用しない可能性があるということだ。過去200年間、この反論は正しかった。蒸気機関、電気、コンピュータ──すべてが雇用を奪い、そしてより多くの新しい雇用を生んだ。

しかし今回は違う。Citrini Researchはこう指摘する。

「すべての新しい仕事は、人間がそれを遂行することを前提としていた。AIは今や、人間が再配置されるまさにそのタスクを改善する汎用知能だ。解雇されたコーダーは単に『AI管理』に移れない。AIがすでにそれをこなせるからだ。」

知能の置換スパイラル:自然なブレーキのない負のフィードバックループ

2026年〜2028年:崩壊のタイムライン

Citrini Researchは、2028年6月の危機に至るまでの段階的なタイムラインを描いている。

時期 出来事 市場
2026年夏 Fortune 500企業がAIでベンダーを30%値引きで契約更新 S&P約8,000、Nasdaq約30,000
2026年Q4 AIエージェントが旅行代理店・保険更新等を置換 「摩擦の死」が始まる
2027年初頭 LLM利用がデフォルトに。「AIとは何か」を知らない人もAIを使う ピーク圏から調整開始
2027年中盤 ホワイトカラー失業が加速、賃金が下落開始 プライベートクレジットに亀裂
2028年6月 失業率10.2%、プライムモーゲージ崩壊 S&P 38%暴落

特に衝撃的なのは、2026年夏のFortune 500調達マネージャーのエピソードだ。ベンダーの営業担当者が例年通り5%の値上げを提案したところ、調達側は「OpenAIの技術者にAIツールでベンダーを完全に代替させる話をしている」と告げ、最終的に30%ディスカウントで契約が更新された。そしてこれは「良い結果」だったという。Monday.com、Zapier、AsanaなどのSaaS企業はもっと悪い結果だった、と。

2026年〜2028年の崩壊タイムライン

「摩擦の死」──中間業者が消える世界

Citrini Researchが描くもう一つの重要な概念が「摩擦の死(Death of Friction)」だ。

人間の知能は資本主義における希少な投入財だった。旅行予約、保険更新、確定申告、決済処理──これらすべてに「人間による仲介」というコストが乗っていた。AIエージェントがこの摩擦を除去すると、多くのビジネスモデルが根底から崩壊する。

業界 従来の「摩擦」 AIによる破壊
不動産 手数料3% 1%未満に崩壊
決済 カード交換手数料2-3% ステーブルコインで迂回
デリバリー プラットフォーム仲介 AIが全選択肢を同時比較
SaaS 高額サブスクリプション AIコーディングで内製化

この「摩擦の死」は、Visa(カード手数料)、DoorDash(デリバリー仲介)、ServiceNow(エンタープライズSaaS)などの株価を実際に下落させた。思考実験が市場を動かしたのだ。

摩擦の死:AIが中間業者のビジネスモデルを破壊

13兆ドルの住宅ローン市場が崩壊する理由

Citrini Researchのシナリオで最も深刻な警告の一つが、金融システムへの波及だ。

まずプライベートクレジットが崩壊する。PE(プライベートエクイティ)が支援するSaaS企業が、顧客のAI内製化により大量のデフォルトを起こす。次に、より大きな問題が来る。

13兆ドルの住宅ローン市場だ。ホワイトカラー労働者の所得が構造的かつ恒久的に毀損される中で、プライムモーゲージ(優良住宅ローン)の返済能力が低下する。高収入のプロフェッショナルがギグワーカーに転落し、労働供給が溢れかえり、経済全体の賃金を押し下げる。

これは2008年のサブプライム危機とは根本的に異なる。あの時は信用力の低い借り手が問題だった。今回はプライム(優良)借り手の所得そのものが崩壊する。

金融システム崩壊のカスケード:プライベートクレジットからプライムモーゲージへ

反論と楽観論──Deutsche Bankの予測

もちろん、このシナリオには多くの反論もある。

Deutsche Bankの独自AIは、AIにより1億7,000万の新規雇用が創出され、9,200万が失われると予測している。つまり差し引きでプラスという見方だ。

また、歴史的な前例も示唆的だ。冷凍食品技術の登場により農業従事者は全人口の30-40%から2-5%に減少したが、経済は崩壊するどころか、価値が再配分されてより豊かになった。

さらに、信頼、美的感覚、人間的なつながりを重視するサービスは完全自動化に抵抗し、新たな差別化の機会を提供する可能性もある。

立場 主張
悲観論(Citrini) AIは人間が再配置されるタスクも代替する。今回は「雇用創出」が機能しない
楽観論(Deutsche Bank等) 1.7億の新規雇用 vs 9,200万の喪失。歴史的に技術革新は雇用を純増させてきた
中間的見解 人間的サービス(信頼・美的感覚・つながり)は自動化に抵抗する

しかし、Chubby氏(@kimmonismus)がこの投稿で最も強調しているのは、楽観論か悲観論かではなく、「議論を始めること」の重要性だ。「解決策を一緒に探すために、広く共同の会話を持つべきだ」と。

楽観論vs悲観論:AI雇用インパクトの異なる見方

まとめ:思考実験が市場を動かす時代

Citrini Researchの「2028 Global Intelligence Crisis」は、あくまで思考実験だ。しかしこの思考実験が、Visa、DoorDash、ServiceNowなどの株価を実際に下落させたという事実が、市場がAIによる経済構造の変化をいかに真剣に受け止めているかを示している。

概念 意味
Ghost GDP 統計上のGDP成長と実体経済の乖離。AIの生産性は上がるが人間の消費に回らない
知能の置換スパイラル AI能力向上→解雇→消費減→AI投資増という自然ブレーキなしの悪循環
摩擦の死 人間の仲介コストが消滅し、中間業者のビジネスモデルが崩壊
今回は違う? 過去200年の「技術が雇用を創出する」パターンが、AIでは機能しない可能性

このシナリオが現実になるかどうかは誰にもわからない。しかし、AIが経済構造を根底から変える可能性に対して、今すぐ議論を始め、解決策を模索する必要がある。それがChubby氏の、そしてCitrini Researchのメッセージだ。

あなたの仕事は、Ghost GDPの世界で生き残れるだろうか。その問いに、今こそ向き合うべき時だ。

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